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幸運は案外、待ってるだけでやってくる

読書感想 ~ タマゾン川 多摩川でいのちを考える ~

まず初めに*1

 

多摩川に住む魚や、多摩川が死の川になった理由、死の川からどのように蘇ったかなどを書いた本。

多数の外来魚と在来魚の関係性、そして命の大切さを説いている一冊。

 

タマゾン川 - 株式会社旬報社 働く、学ぶ、育てる、暮らすなどをテーマにする生活に身近な出版社です

 

→ 読みやすさ 8/10

実は、児童書という事もあり読みやすさはまぁまぁ。

難しい漢字をあまり使っておらず、ルビも振ってある。のだが、大人からするとひらがなが多めである事が、逆に読みづらさになっている部分もあるのが確か。

 

→ テンポ 8/10

こちらも児童書という点から、テンポよく読んでいける。

子供が読んでも、途中で詰まってしまわないようになっている。

この一冊を読み切るのに3時間ほどだった事(内容が薄いわけではない)も考えると、さくっと読んで充実した時間を得られる。

 

→ 専門的か? 6/10

専門用語のような物は、ほとんど出てこない。

生態系についての現状を書いてある為、専門的な内容ではあるのだと思う。

 

→ 満足度 4/10

今の日本における外来生物に対する一般的な考えが分かる一冊。

自分が、外来生物=悪 という考えではない為、どうしても穿った見かたをしてしまっているのは承知しているが、やはり納得しきれない以上、あまり満足する一冊ではなかった。

 

= 心に残った部分 =

P.117 じつは、みんなの家から捨てられる水、下水なのです。

 

多摩川の水のうち、約8割が下水処理された水であるという事は知らなかった。

正確には、すべての水の8割という事ではないのだけれど。正確な内容は、自分で本を読みましょう。

そして、それが多摩川が死の川から蘇った理由でもあるのだが、同時に外来魚が住みやすい環境を作っているという内容が紹介されていく。

やはり、そもそも知らなかった事を知るというのは楽しいものです。

 

≪感想≫

予想はしていたけど、とても悲しい一冊。

外来魚と在来魚、多摩川の生態系について考えさせる切欠になる一冊という点に関しては、とても良い一冊ではある。

 

内容としては、外来魚が与える生態系への影響。死の川になった経緯と蘇った経緯。の一冊。

外来魚が与える影響が大きいのはわかる。そして外来魚に対する考えが、排除一択(駆除ではないようなのが、まだ救いか…)の模様。

少なくとも読んでみると、どうしてもそういう風にしか捉える事ができない。

いのちを考える → 在来魚のいのちを考える に変えたほうがしっくりくる一冊。

 

冒頭の外来魚に対する姿勢は「多摩川にはいらない生き物」というのが明らか。

確かに、本来多摩川には存在しない魚で人間の勝手で捨てられてしまった訳で、在来魚への影響が大きい、絶滅するかもしれない。いや、すでにしてしまった生き物もいる。とりかえしのつかない事態も起きている。

たしかに……言っている事はわかる。何とかしなければいけないというのも。しかし、それがイコール多摩川にはいらない生き物という括りになっているのが、ちょっとう~ん……と思う。

壊れる=悪い という考えが絶対となっているのが、どうしても引っかかる。

それが悪くない理由は? と言われても、確かに上手く答えられないので、これは感情論でしかないのだろうと思うけど、一方的に悪いという考えを押し付けているのが、どうしても納得できない。

だから、どうすればいいのか考える。

駆除だけでなく、共存でもいいのではないかという考えも捨てる事なく、考える事が必要だと思う。

 

この本を読んで感じてほしいのは、在来魚を守るためには外来魚は排除するという答えを固定させる事ではなく、共存という可能性がないのか? という疑問も持ってほしいと感じた。

 

共存という道も考える機会を与える一冊であってほしかったという事。

 

著者の方も、考え抜いた答えとして「外来魚は排除するべき」として答えを纏めているなら、内容にもっと説得力があったのではないかと思う。

もっとも、児童書なのでそこまで求めた一冊にするのは難しいのかもしれないけれども。

 

今度は別の角度、多角的な意見を纏めているような本を探そうと思う。

*1:バスフィッシングを愛する一人として、どうしてもバスに対して擁護する立場を取ってしまうという事を、ご了承してほしい。また、著者のように専門的な知識も経験もないので、感想についても感情論になっている事も確かです